『東葛』、『葛南』、『千葉県』に続き、本書にて千葉シリーズも4冊目。
満を持して県庁所在地にして政令指定都市・千葉市の登場……と言いたいところだが、
実は千葉市が東葛エリア、葛南エリアの「後回し」になったのにはワケがある。
実は、当初の予定では前述の東葛・葛南エリアよりも先、
千葉県内の都市として一番最初に取り上げるはずだったのだ。
県庁所在地が後回しになったのは一体何故か。
それは事前取材を進めるうちに発覚した
「千葉市、見どころねぇや!」という、身も蓋もない事実のせいだ。
商都・柏を中心に「千葉都民」たちが住む東葛エリア、
同じく船橋を中心とした葛南エリアに比べ、千葉市は実に特徴がない。
そもそも「千葉市といえば?」というイメージがわいてこない。
これが「千葉県といえば?」なら色々出てくるが、
その印象は東葛、葛南の各エリアの特徴だったり、
あるいは房総半島の豊かな漁場や自然だったり。
ピーナッツや菜の花だって八街や南房総が産地で、千葉市はあまり関係がない。
そんなこんなで「……とりあえず、後回しでいいか」というのが
千葉市に対する評価だったのだ。
東葛、葛南を刊行し終え、逆に浮き上がってきたのが
「なぜに千葉市はこんなにダメなのか」という疑問。
他の都市と比較した場合、いい部分が目立たず、
ダメな部分ばかりが目立ってしまうのが千葉市の印象だ。
しかし本シリーズの目的は、そういったイメージに捕らわれない調査・批評である。
本当に地味で見どころのない街なのか? 実は隠れた実力者だったりするんじゃないか?
もしかしたら、イメージ以上にダメダメなのか?
印象の薄い謎の都市・千葉市の真の姿を、これから一冊をかけて暴いていこう。