船橋市、市川市、浦安市、習志野市、八千代市の5つの市をまとめて
『葛南』と呼ぶことを、
現地の住民のどれくらいの人が知っているのだろう?
しかし『東葛』という言葉なら比較的、耳にしたことがあるはず。
そもそも『葛南』とは、その『東葛』に対してあるような言葉で、
かつてこれらのエリアを含む広大な地域が「東葛飾郡」であったことに由来している。
現在、『東葛』エリアといえば、
松戸市、柏市、野田市、鎌ケ谷市、我孫子市、流山市の6市のことを指し、
『葛南』エリアとはビミョーな距離感で、
対比されたり、友好関係があったりすることは
このエリアに住む人なら誰でも感じているはずだ。
属する市はメジャー級でも、マイナーな響きの『葛南』。
先頃、東日本大震災の放射線量調査で要望書を提出した、千葉市と市原市を含む
『京葉地域7市』の方がメジャーになっていくかもしれない。
しかし本書はあくまでも『葛南』エリアにこだわって地域批評させていただく。
何故なら、震災で大きな被害を被った浦安市、
千葉県一の商業地である船橋市、東京の一部といっても過言ではない市川市、
ベッドタウンとして栄えてきた習志野市や八千代市をまとめた
『葛南』エリアだからこそ、浮き彫りになる特徴があるからだ。
本書はこのような『葛南』が持つ魅力や問題点、
そして、そこに住む千葉都民
(通勤、通学、レジャーなどの生活全般が東京都内にある千葉県民のこと)や
千葉県民の生態を、独自の視点と調査によって明らかにすることを目的としている。
その見解には賛否両論あるだろうが、面白可笑しく読んでいただければ幸いだ。