なんだかんだいっても、東京の中心は皇居を中心とした山手線の内側である。
それゆえに、大田区が東京における地の果てであることは否定できない。
多摩川を挟んで対岸は神奈川県川崎市だし、
地図をみてもやはり「東京のはじっこ」に位置していることは紛れもない事実である。
しかし、それだけでは、すまされないし、それだけでは、つまらない。
同じく「東京のはじっこ」であるにもかかわらず、23区の辺境みたいに扱われている足立区と比べれば、
さほど悪いイメージは持たれていない。
ところが、大田区の北西に位置して、やはり巨大な都内のふりをしていても、
実際には田舎の雰囲気を漂わせている世田谷区に比べると、ずいぶんと格オチのイメージを持たれている。
果たして、大田区は都会なのか田舎なのか。
はたまた、金持ちなのかビンボーなのか。
大田区は、白黒をはっきりつけにくい、実にカオスな街なのである。
それでも、大田区に住んでいる人も、住んでいない人も、もっと便利に、もっと気持ちよく、もっとステキに、もっと幸せになる!
これが本書の狙いである。