中野区は不思議な街だ。新宿からJR中央線快速でほぼ5分、東京駅へも15分程度。
新宿までが近いのだから、首都圏の主要部分すべてへのアクセスが抜群といえる。
通常、これだけ主要なビジネス街や繁華街まで近く、
それでいて「郊外の住宅街」であれば「高級住宅街」になってしかるべきである。
だが、中野区と聞いて思い描くイメージは違う。
ひとつには中野ブロードウェイを中心とした「ヲタクの街」というものがある。
ヲタクのメッカといえば秋葉原、次にくるのは池袋となり、
中野区は池袋と同等、部分的には上という「ヲタクの街としてのランキング」にある。
思うに、中野区は様々な「目立つ要素」のために、やたらと「低く」見られているのではないか。
前にも述べたとおり本来であれば高級住宅地として見られていてなんの問題もないはずである。
それが証拠に、中野区よりも都心部から遠いお隣の杉並区は、
まあ最近は「中央線」なイメージにとらわれて少々おかしくなってはいるが、
一応は高級住宅地として認知されている。
中野区と杉並区を比べた時、確かにイメージの差は歴然としてある。
というわけで、本書では随所でここに挙げさせてもらった杉並区と足立区を比較対象とし、
中野区の真の姿を探っていくこととする。
たぶん全項目で杉並区も足立区も蹴散らすに違いない。
中野区の全貌が、ここで明らかになるのである。