「新宿区」と聞いて、読者のみなさんは最初にどんなものを思い浮かべるだろうか。
やはり世界最大の規模を誇る新宿駅や、大オフィス街。
もしくは巨大な都庁だとか、とりあえず「大」の字がつくものばかりだと思う。
これら「大」の字群は、新宿駅から徒歩数分圏内にあるものばかり。
つまり、「新宿区のイメージ」とされるものは、勤務地であったり買い物をする場所であったり、
電車を乗り換える駅であったりする新宿駅周辺のみで成り立っているといっても過言ではない。
それに加えて「やくざ銀座」やら、歌舞伎町や新宿二丁目、ゴールデン街など
「危険だったり怪しかったりする飲み屋街」といったところか。
これもまた世界最大級の規模である。
そして、商業地区・オフィス街のみの区ではなく、多くの人間が暮らす街である。
とはいっても、
「新宿に住んでいるのって、すげー高い億ションとかに住んでいる少数の金持ちだけでしょ」とか
「治安が悪そう」など、
住宅地としての新宿区は「高くて危険」という悪いイメージをもたれている。
だが、これは果たしてどの程度正確なイメージなのだろうか。
新宿区を調べれば調べるほど、
「本当は新宿区内のそれぞれの地域が密接な関係性を持ち、それぞれが影響しあっている」
ことがわかってくる。
そしてまた、
「なぜ、密接に関係しあっているのに、表面的にはまったくの別物に見えるのか」
ということも見えてきた。
その原因は、30年前に新宿区を襲ったインフラの再整備、つまり都電の廃止が大きく影響していたのだ。
こうした新宿の噂・闇なども含め新宿区の過去から現在を見ながら探っていくことにする