人はなぜ「生」に執着し「色」に執着するのか。幼少時代の誦読と棚経を回想、一休和尚や正眼国師(盤珪禅師)の訳や解釈を学び直し、原点から人間の性を見つめ直す。色と欲に煩悶した日々を顧み、生き身のありがたさ、女性は弥勒菩薩など独自の境地に辿り着く。愚かさを見すえ、人間の真実に迫る水上版「色即是空」。<解説>高橋孝次
「般若心経」全文
序 章 「まかはんにゃはらみたしんぎょう」
第一章 漢字「般若心経」にめぐりあう
第二章 正眼国師の『心経抄』と私
第三章 一切は「空」である
第四章 私版「色即是空」の世界
第五章 一休における「色即是空」の世界
第六章 死して百日紅や椿の花となる
第七章 不浄を美しいと思うときもある
第八章 六根・六塵の本体は無である
第九章 無明とは何か
第十章 四苦八苦を成敗するには
第十一章 のたうちまわって生きるしかない