ノムさんは東北で何を成し遂げようとしたのか。
「楽天なんて監督しなきゃよかったわ」とぼやきながらも、監督退任の時になぜ選手たちの前で滂沱の涙を流し、「河北新報を味方にできなかった」と嘆いてまでこの球団における不幸な結末を嫌ったのか――。
地元紙・河北新報で野村番記者を務めた著者が、心に残り続ける謎を突き止めるノンフィクション。
ベンチ、球場の内外でのノムさんとの詳細な取材録、選手・元選手ら東北楽天関係者への聞き取りのほか、
これまで取材NGだったノムさんが最も頼りにしていた仙台の相棒、病を抱えた車いすの女性との始球式の秘話、そして、ノムさんの自宅での最期を看取った野村家の嫁・有紀子さんへのインタビューから紐解く。
没後3年、改めて問う野球人・野村克也、有終の軌跡。