古道具が明かす縁の物語。
目利きの江戸職人の男っぷりが光る。
山本一力、絶品の人情小説!
建て替え普請のため、家屋を壊すのが生業の「伊豆晋」のかしら・晋平は古道具の目利き。
大火に見舞われた江戸で、大店の旦那衆から焼け崩れた十八もの蔵を短期間で取り壊すよう頼まれる。
次々と起きる厄介事にもひるまず、決して逃げることなく、時には古道具好きの旦那衆の助けを借りて難局を切り開いてゆく。
晋平とその配下の男たちの職人仕事は緻密にして清々しく、古道具を通して浮かび上がる人の情と縁は読む者の心をしっとりとほぐしてくれる。