話題の新人を続々輩出する大藪春彦新人賞、第4回受賞作!
●今野敏 選評(抜粋)
日常生活の描写と、殺人・死体遺棄とのミスマッチが、なんともいえないおかしさを醸し出している。話の先が気になって、ついページをめくってしまった。
●馳星周 選評(抜粋)
物語の進め方も、クライマックスの盛り上げ方も文句ない。
●徳間書店文芸編集部編集長 選評(抜粋)
主人公、母、祖母。三人の女性が死体隠蔽をめぐって右往左往する様は、時に笑えて時にゾッとする、極上のサスペンスになっていました。
●あらすじ
母から、祖母が徘徊でいなくなってしまったという連絡を受け、ひかりは約半年ぶりに実家に帰ってきた。
仏間に横たわっている父の姿。そして母の言葉。
「おばあちゃんが、殺してしもてん」
台風が通り過ぎ、昨日までの悪天候が嘘のように日射しが明るい。
ひかりは、警察で取り調べを受けるなか思い返していた。実家で起きた、あの出来事を……。
※受賞作のほか、選評および受賞の言葉を収録