あらすじ少年は悲しげに二、三度頭を振ると、水に向かって静かに足を踏み出した―。 行方不明になった麻木灘は、意識喪失の状態で発見された。 兄・嶺の心配をよそに、順調に回復していった灘。 しかしその様子は、どこかおかしかった。 まるでなにかに取り憑かれたかのように、水ばかりをがぶ飲みする弟。 嶺は、生物の非常勤講師である大神亮平に、その違和感を打ち明けた。 大神は、かつて親友が同様の状態に陥り、やがて不慮の死をとげたことを思い出す…。 日本SF新人賞出身の新鋭が描く、青春伝奇ロマン。