真っ白な自称人魚の男と寺で同居することになった私。
いつしか奇妙な力が芽生えて…。
奇想小説の異端児が放つ長篇が待望の文庫化!
小さい刻の愉しい記憶をもう一度味わうために、私は誰もいない寺に帰ってきた。
私が池で見つけたのは、真っ白な自称人魚の男『うお太郎』。
人魚にも見えないが、人間とも思えない不思議な生物だった。
うお太郎は「この寺の周辺には奇妙な石が埋っており、私にはそれを見つける力がある。
石には記憶を忘れさせたり、幽霊を閉じ込めたりする力が宿っている。
早く見つけろ」と言うのだが……。
書評家熱賛!奇想小説の異端児が放つ長編が待望の文庫化。