祖母に頼まれた観劇代行のアルバイト。
とても楽しいけど不思議なことが一つあった。
なんで毎回あの老紳士に劇場で会うんだろう?
岩居久澄、二十七歳。無職。実家暮らし。
今のところ生活に不満はない。不満はないけど、不安はある。私の将来どうなるんだろう……。
そんな久澄に奇妙なバイトが舞い込んだ。
祖母の代わりに芝居を見に行き、感想を伝える。ただそれだけで一回五千円もらえるという。
二つ返事で了承した久澄は、初めての経験に戸惑いながら徐々に芝居の世界にのめり込んでいく。
とても楽しい。けど、久澄には疑問があった。
なぜ劇場で毎回あの老紳士に会うんだろう?