あらすじ大久保利通は日本の近代化の基礎をつくった偉大な政治家でありながら、なぜか日本人には、あまり人気がない。 おそらくそれは、かつての盟友で、絶大な人気を誇る大西郷を屠ったからだろう。 西郷が英雄化するためには、大久保という敵役が必要なのである。 大久保を氷のような専制主義者として強調すればするほど、西郷が対照的な人物として、浮かび上がってくるわけだ。 本書は、この構造の真実を象徴的なエピソードを挟みながら、劇的に描く。