あらすじゲーテ『若きウェルテルの悩み』の影響で、憂鬱青年の自殺がブーム化した昭和九年。 旧制二高生の金谷青年は、同書を愛読していた友人・堀分の不審な自殺の真相を追う。 時期を同じくして、彼の下宿先、大平博士邸から貴重な化石が盗まれ、“東北反戦同盟”を名乗る謎の組織から身代金要求が……。 巧妙な伏線トラップ+爽やかな青春小説の妙味。著者が心血を注いだ〈旧制高校シリーズ〉第二弾。(解説 楠谷 佑)