あらすじ真夏の工場駐車場で絞殺された元女性歌手。発表前の歌謡曲「そのとき」の盗作を巡る八年前の殺人事件の目撃者であったことから、出所したばかりの犯人・沖圭一郎に容疑が。しかし沖は、鉄壁のアリバイを隠し、あえて脆弱な嘘で自らを冤罪を課そうとする。登場人物の奇妙な行動の謎がすべて一曲の歌詞へと収束していく、逆説的な二重アリバイの離れ業。作家生活二十年目の野心作! ドキュメント風の冒頭部から、落涙必至の結末まで、謎と不運に翻弄されながら一つの信念を貫く魂の遍歴。超技巧のミステリ。(トクマの特選!)