弔いは、死者のためにするんじゃない。残された者のためにするんだ!
「人の死で飯を食う。それがあっしの生業」
江戸の新鳥越町二丁目に「とむらい屋」はあった。
葬儀の段取りをする颯太、棺桶づくり職人の勝蔵、雑用の寛次郎、死者に化粧を施すおちえ、そして渡りの坊主の道俊。
色恋心中、死産、貧困、自死、火事。さまざまな亡くなり方に対応していくとむらい屋の仲間。
時に水死体を見るのが苦手な医者、巧先生や奉行所の韮崎宗十郎の力を借り、人の死を見つめる。
十一歳の時、弔いを生業にすると心に決めた颯太。そのきっかけとなった出来事とは?
江戸時代の葬儀と死を生々しく描いた弔いの時代小説。