あらすじ宮本武蔵。弁之助は自らをそう名乗った。名付け親は佐々木小次郎。小次郎はまさに天才的武芸者だ。翻って、自分はこの京にあふれる無数の牢人のなかでどう抽んでればよいのか。北白川城趾に向かう最中、気配を感じ振り返る。頬に切先。取り囲む野臥せりたち。だが次の瞬間、武蔵は意外な態度を取る。物思いに沈んだのだった。死。死。死。際限のない死と引き換えに武蔵が手にするものとは。傑作大河小説、圧倒の第五巻!