あらすじ文化二年、お盆の頃。摂津尼崎藩江戸家老・塩谷隼人(しおやはやと)は胸に虚しい思いを抱えていた。それは、還暦を過ぎた今となっても父の仇討ちを果たせていない悔恨からきている。そんな折、両国広小路で暴漢たちに絡まれていた一人の武士を助けた。松崎と名乗るその武士は、聞けば四十年の間、親の仇を追う身であり、奇しくも隼人と同い年であった。因縁を感じた隼人は、助太刀を決意するが……。