あらすじ九月、伊豆大島の岩肌にブダイ釣りに興じる一行――作家西村寿行と錚々たる編集者二十人。そのうち一人が奇声を発して巨大なトラ河豚を釣り上げた。が、死んだように凪ぐ海に、西村は異変を悟っていた。すでに一行は三途の川を渡ってしまったのだ。西村の料理したトラ河豚が原因で。そこは黄泉国、戻るすべはもうない。狂気に逸る日本の知性たちの、恐れを知らぬ地獄冥府への旅が、こうして始まった。