海の近くに行けば、比較的容易に出会うことのできるカモメですが、その観察は簡単だと思われがちです。 しかし、実際はカモメの観察はとても難しいのです。 カモメの成鳥は、夏と冬で大きく外見が異なりますが、その識別はそれほど難しくはありません。 難しいのは、同じ種でも、成長過程(おおよそ1~4年)で刻々と姿が変わり、その姿が成鳥とまったく異なる点になります。 実際の観察では、同一種の群れで中でも群れの中で複数の外見があり、さらに他の種が混じると判別が極端に難しくなります。 そのためカモメの観察は、バードウオッチャーの間では、とても難しく奥が深いとされています。 本書では、カモメの観察方法を解説した上で、初心者の方がカモメの識別方法が分かるよう、カモメの大きさや各部位の色彩や形の違いをチャートにした検索図を用います。 さらに、カモメを観察をする上で難しいとされる識別のポイントを、各年齢における差異、類似種の見極めのポイントなど、詳しく解説します。 このほかカモメの種ごとのページ以外にも、「雑種」や「世界のカモメ」「カモメ類の雌雄差」「大型カモメ類の換羽状態の見方」などの項目も設け解説しました。 カモメの観察の難しさを分かりやすくしてくれるるのが、この「日本のカモメ観察図鑑」です。 カモメに興味があり、じっくり観察したい人、バードウオッチの深い世界に入り込みたい人に、おすすめです。