兵法書として古今東西もっとも著名な「孫子の兵法」。
戦をビジネスに置き換え、日本のビジネスマンにも人気が高い。
しかし、「孫子の兵法」はじつは戦術についてのみ述べている書ではない。
人生の問題として、統治思想として優れた示唆を与えてくれるものである。
そしてそのような思想的な側面を理解するには、総合的な理解が不可欠である。
世界は再び、動乱の時代となりつつある。
中国の台頭、隣国の怪しげな動き、それに日本も経済大国となって、こうした世界の動きと無関係でいるわけにはいかない。
改めて、私たち日本人において孫子の現代的理解が急がれているのである。
本書では全文の現代語訳、書き下し文、原文に加え、覚えやすい【一文超訳】を掲載。
テーマは何か、主旨は何かが一目で把握でき、格言のように心に刻まれるので、「孫子の兵法」の理解が飛躍的に向上する。
また、主要な人名や語句には懇切丁寧な注釈を入れた、現代の完全版である。
【一文超訳の一例】
「戦争は冷静に判断、準備すべきものである」
「トップの度量(人の意見を聞き入れることができる人かどうか)が勝敗を分ける」
「長期戦に利益はない」
「敵を傷つけずに勝つのが上策である」
「君主と補佐役たる将軍は密接な関係でなければいけない」
「有名であることと有能であることは違う」
「戦うべき場所と日時がわかれば勝てる」
「軍争には正しい情報、インテリジェンスが重要となる」
「敵味方の耳目を活用して戦いを有利に運ぶ」