これはタイムマシンのいらない時間旅行記である。
すべては、北米オクラホマの荒野で、ディメトロドンの歯の化石を拾ったことから始まった!
いかめしい風貌をしているが、ディメトロドンは恐竜じゃない。
れっきとした、われらが哺乳類の祖先である。
彼らがどのようにほ乳類に進化していったのか?
ルーツを追って、著者は南アフリカ共和国にとんだ。
目指す時代はペルム紀後期~三畳紀前期。
そこに広がる大カルー盆地は、彼らよりほ乳類に近づいた獣弓類と呼ばれるご先祖様たちの化石の宝庫である。
恐竜時代前、超大陸パンゲアで天下をとっていたのは、われらがほ乳類の祖先たちだった。
本書は、SF小説(フィクション)ではない。
著者が海外の研究者に同行し、ほ乳類のルーツを探る手がかりを取材した、サイエンス・ノンフィクションである。