料理を店まで取りに行き、注文者の元まで配達すれば仕事は終了。ただそれだけ。スマートフォンと配達するための自転車やバイク、あとはバッグさえ購入すれば、すぐにでも始められる。それがウーバーイーツの仕事だ。いつ働こうが個人の自由。しかし、世の中はそんなに甘くない。ネットやSNSでは「ド底辺」とののしられることもしばしばだ。苦情、恫喝、ときどきチップ。これは、「誰でもなれる」という落とし穴に落ちた四十路ライターがつむぐ、悲哀と憂鬱の実録ドキュメント。蔑んでもいい、罵ってもいい。でも、ここで描かれているのは未来のあなたかもしれない。【著者プロフィール】渡辺雅史 (わたなべ まさし)1975年生まれ。ラジオのハガキ職人を経て、ライターに。出版不況の折り、減り続ける仕事と、「メタボ」「糖尿病」「高血圧」「脂肪肝」の四重苦から少しでも免れるためウーバーイーツの配達員に。本書のベストセラーによる印税生活を夢見ている。