「夢を渡る」不思議な能力を持つ貴族の令嬢ラピスは、夜な夜な人の夢を渡り歩いていた。それを不安に感じた両親はこの呪いのような力をから解放すべく、あらゆる手を尽くしていたが効果はない。ある夜、ラピスは一縷の望みをかけ、堅牢な魔法結界が施されている宮殿へと夢を渡って侵入する。夢の中の彼女の姿は誰にも見えない……はずだった。しかし、突然目つきの鋭い魔法騎士に腕を掴まれて!! ――「あなた、私の姿が見えるの?」。ラピスは夢を渡る自分を唯一認識できるイケメン魔法騎士ジェイドに解呪を依頼する。しかし呪いを解くには、彼と『キス』をし、さらには彼自身の『楔(くさび)』を打ちこんでもらう必要があることがわかり……。不思議な縁(えにし)で結ばれた運命のふたりが繰り広げる、ラブファンタジー。