元バンドマンで仕事もなくぶらぶらと過ごす《自分》は、同居の女も去りカードの借金もかさみ途方に暮れていた。公園で呑んだくれて絵を描いているうち、そこにたまに来る美少女が気にかかる。そんなある日ビルのオーナーだという老人《シゲさん》に声をかけられる。「管理人をやらないか? 住まいも与える。ただし条件がある」と。《自分》は、住み込み管理人となったが、給料をもらいながら夜な夜なその奥方《ヒサコ夫人》と関係することになった。家主シゲさん、スナックのママ、後輩ワガラシなど、濃いキャラクター満載で、ほんのりせつなく滑稽なゲス私小説。