波瀾万丈すぎる天皇像からわかるこの国の形高天原の神の直系という神話の時代から現代まで連綿と続く「天皇」。天と地を祭祀によって結ぶ機能を持つ天皇をめぐっては、個人としての逸話やこの世界と異界とを介在する中間者としての伝説などがさまざまに生まれてきた。ウロコや尻尾を持つ異形の天皇、改革に挑んだ天皇、怨霊になった天皇、正史に貶められた天皇、和歌の守護者としての天皇、天皇の権威を利用した陰謀論……『古事記』『日本書紀』をはじめ、古今の文献に描かれた天皇35人37代の物語から、時代とともに変化して生き抜いてきた天皇の姿と日本の歴史が見えてくる。・仁徳天皇(16代)=多くの女性と浮名を流す・雄略天皇(21代)=『日本書紀』では「大悪天皇」・陽成天皇(57代)=暴君伝説の裏側・宇多天皇(59代)=日本史上最初の猫マニア・花山天皇(65代)=好色な愚帝の実像・後桜町天皇(117代)=教養あふれる最後の女帝・昭和天皇(124代)=天津教事件と元東宮女官長の予言