徳富蘆花『不如帰』の浪子、島崎藤村『破戒』の丑松、樋口一葉『十三夜』のお関……。著者が明治期に発表された数々の名作の中から、人権にかかわる問題に着目し、作中の人物を通して、その時代の断面を検証、解説。時代を超え、現代を生きる私たちの自己点検にもつながる人間認識の確立という新たな視点を提言した良書。目次まえがき――本書を読む人のために第一章 樋口一葉「十三夜」の世界第二章 泉鏡花「照葉狂言」の世界第三章 与謝野晶子「みだれ髪」の世界第四章 徳冨蘆花「不如帰」の世界第五章 田山花袋「重右衛門の最後」の世界第六章 木下尚江「火の柱」の世界第七章 島崎藤村「破戒」の世界第八章 白柳秀湖「駅夫日記」の世界あとがき