直木賞作家・永井路子氏の作品が遂に電子化!ひとつひとつ丁寧に完璧な布石を打ってきた藤原仲麻呂はいよいよ権力掌握への集大成の段階に入るが……。策略家・藤原仲麻呂と孝謙女帝、道鏡との奈良を舞台にした政争の中、「戒」の灯を守り続けた戒和上鑑真とその弟子たちを描く歴史長編。第21回女流文学賞受賞作。【下巻 目次】短 簡徒 労偶 然証 言入 定点塔神 託偽 詔毘盧舎那戒 月 参考史料・参考文献 付 記 解 説【著者プロフィール】大正14年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業後小学館に入社し、『女学生の友』『マドモアゼル』の編集者を務める。小学館時代から歴史小説を執筆し始め、昭和39年『炎環』で直木賞を受賞。その他にも吉川英治文学賞を受賞した『雲と風と』等多くの素晴らしい作品を世に送り出している。男性的目線になりがちな歴史人物や歴史事件を解きほぐし、その陰になりがちな女性にも焦点をあて、歴史上の人物、出来事を鮮やかに浮かび上がらせる作風は、歴史小説に新風を巻き込んだものと評価されている。また、直木賞受賞作品である『炎環』、『北条政子』などは、NHK大河ドラマ『草燃ゆる』(1979年)の原作として、また『山霧 毛利元就の妻』『元就、そして女たち』などは、同じくNHK大河ドラマ『毛利元就』(1997年)の原作としても知られている。