二重人格のジキル博士が霧のロンドンを恐怖に陥れる!ロンドンの街角で起こった小さな事件。すべてはそれが始まりだった。あるときは少女を、またあるときは老人を巻き込んで、残虐な事件を繰り返す犯人はハイドと名乗る人物だった。しかし、そのハイド氏はジキル博士の他人格が表出したものだったのだ。しかし、その姿や声の質も、ジキル博士とはまったく異なるものだった。いったい、どういうことなのか。ジキル博士の友人たちは、行動の怪しいジキル氏に対し、次第に疑いの目を向けるようになるが――。19世紀末のロンドンを舞台に執筆された、現代でも名高い怪奇小説の決定版!【目次】戸口の話ハイド氏の捜索ジキル博士は全く安らかであったカルー殺害事件手紙の出来事ラニョン博士の変事窓際の出来事最後の夜ラニョン博士の手記この事件に関するヘンリー・ジキルの委しい陳述書