あらすじ安政四年の正月から三月にかけて不可思議な噂が江戸に広まる。毎日、暮れ六ツ、いわゆる「逢魔が時」の頃に、ひとりのお婆さんがどこからか出てきて、甘酒を売り歩いていた。ただ、このお婆さんに近づくと、病気にかかり、蛇がのたくるように蒲団の上を這いまわり、ひどいときには死んでしまう、との噂が立つ。その噂が徐々にひどくなり、半七たちも無視できずに調べ始める。そして、半七は、そのお婆さんが、河内屋という質屋をのぞいていたとの情報を得る……。早速、その河内屋を訪れた半七だったが……。