あらすじ文久元年七月、半七の家に馬道の庄太が駈け込んでくる。前日、台所で行水をつかっていた隣家の娘お作が、何者かに殺されたという。実は半月ほど前から、馬道近辺に白地の手拭、白地の浴衣の若い女が出没し、二人の女が相次いで殺されていた。鬼婆で名高い浅茅ヶ原に近く、鬼婆ならぬ鬼娘が生贄を求めているのか?半七は、意外なところで事件の糸口をつかむ。【目次】鬼娘