あらすじかの吉良上野介の屋敷のあった、本所松坂町に住んでいた善昌という尼は、その自宅に弁天像を祭り、信者を集めていた。万延元年六月に、近くの竪川で幾万という蝶が群がって乱れ飛んだときも、かつて善昌が予言していた凶事の前兆だと、信者は、囁いた。それから半月の間、すなわち十五日間の大護摩焚きを行うことになったのだが、その最中、善昌は「お告げがあった」と祀ってあった弁天像を隠してしまう。そして、護摩焚き終了の翌日、善昌がいなくなってしまった……。集まった信者たちが家捜しをすると……。【目次】蝶合戦