あらすじ慶応二年の梅雨の頃、生薬屋の主人である平兵衛が半七のところへ相談に来る。同店で働く女中のお徳の妹お通が、向島にある大家の寮に奉公したが、奉公先が気味が悪く、すぐにでも辞めたいという。お通は大蛇を祭っているといわれる真っ暗な土蔵に毎度食事を持っていく役目を担っているのだが、ある日二階から降りてきた若い娘がお通に声をかけてきた。この若い娘の正体はいったい? 果たして土蔵に祭られているという大蛇はいるのか? 半七が捜査に乗り出す……。【目次】向島の寮