あらすじ弘化四年六月、常盤津の女師匠である文字春は、浴衣を着た十六・七の娘が後をついてくるのに気付き、気味悪く思いながらも声をかける。娘は、文字春が住む町内にある酒屋『津の国屋』の娘に逢いに来たらしかった。しかし、しばらくすると、その娘はふっと暗がりに消えてしまう。怖くなった文字春は、慌てて大通りまで走り、大工の兼吉と出会う。兼吉から事情を聞いた文字春は、ますます怖くなり、生きた心地もしなくなる。その後、津の国屋でも、怪しい出来事が続けて起こる‥‥。今回は、半吉ではなく、色白の二枚目桐畑の常吉がこの解決に挑む。