深田久弥の、ヒマラヤの山々に対する熱い思いが込められた不朽の名著!『日本百名山』の著者として知られる深田久弥さんは、ヒマラヤの研究家でもあった。1958年にはジュガール・ヒマラヤに赴き、現地ルポを雑誌に連載。翌59年からは「ヒマラヤの高峰」と題した連載を以後10年間、120回にわたって『岳人』に掲載している。そのかたわらで書き下ろしたのが『ヒマラヤ登攀史』(1957年、岩波新書)。その後、1967年に改稿されて『ヒマラヤ登攀史第二版』が出版され、没後、1973年には白水社から『ヒマラヤの高峰』が刊行された。ヤマケイ文庫版では朝日新聞社刊『深田久弥 山の文庫2 ヒマラヤの高峰』を底本としながら、『深田久弥 山の文学全集』(1974年朝日新聞社刊)の原稿を確認しつつ、写真と地図を刷新してヒマラヤ8000m峰14座の初登頂の歴史を紹介する。1950~70年代にかけての、ヒマラヤ初登頂時代の人と山とのかかわりを克明に調べて記した深田久弥の遺作が、没後50年目によみがえる。