郷愁を呼び覚ます、記録文学の名著。紀伊半島で育まれた山林労働の歴史と文化、そして思考。奥深い熊野の山小屋から生まれた稀有な山の自叙伝がヤマケイ文庫で復刻。■内容序章 古窯の跡を訪ねて第1章 炭焼きと植林第2章 青春の西ン谷第3章 果無山脈の主第4章 十津川峡春秋第5章 食物記終章 果無山脈ふたたび増補 新しい世紀の森へ■著者について宇江 敏勝(うえ・としかつ)1937年三重県尾鷲生まれ。和歌山県立熊野高校を卒業後、紀伊半島の山で林業に従事するかたわら、文学を学ぶ。デビュー作『山びとの記』は80年に中公新書から刊行され、高い評価を得た。以降、40年にわたり随想、小説などをコンスタントに発表。新宿書房より、「宇江敏勝の本」シリーズ(全15冊)、「民俗伝奇小説集」(全10巻)がある。