アルデーリア王国の王女レオーネは、敵国ゼルジオスに嫁いでから一年。かつて好敵手でもあった夫のベルトルド元帥との新婚生活は、“金獅子レオ将軍”の異名を取った戦場とは勝手が違うことばかり。ベルトルドとも心は通じているのに、なかなか距離が縮まらない。そんななか、辺境の地に世界一と噂される策士が隠遁しており、ゼルジオス復興の秘策を授けてくれるかもしれない、との情報が舞い込んできた。レオーネはベルトルドとともにお忍びで策士を探す旅に。野盗の跋扈する平原を抜け、やっとのことで探し当てたのは天才策士フェイ。だが彼は、レオーネらの相談に耳を貸そうとしない。あげくのはてに、彼はレオーネに「私のものになって下さるなら、ゼルジオスに行きましょう」とレオーネに迫るくせ者だった——