押井守が高校生だった1968年から始まる、極私的映画史50年。「1年に1本のみ」という縛りで選ばれた、50本の映画解析。キューブリック、タランティーノ、ポン・ジュノからデル・トロまで押井守の映画半世紀!「前書き」よりそんな映画まみれの男にその映画人生を回顧させつつ、昔はものを思はざりけり(権中納言敦忠)の高校時代から現在に至るまで、その年ごとに公開された映画の中から1本の映画を選ばせて(思い出させて)語らせたら、映画マニアあるいはシネフィルと呼ばれる読者になにがしか益するところがあるのではないか。あわよくば高度経済成長からバブルを経て昨今のヘタレた日本の戦後史の一部を、映画を通じてフレームアップできるのではないか—と、企画者および編集者は考えたのでしょう(確信的推論)。