富士山、故郷信濃、ヨーロッパ・アルプスなどを描いた新田次郎のエッセー・紀行集。単行本・全集未収録作品を中心に52篇を収録、作家の山岳・自然観、創作の背景をたどる。■著者紹介新田 次郎(ニッタ ジロウ)1912年、長野県諏訪郡上諏訪町(現諏訪市)に生まれる。本名藤原寛人。旧制諏訪中学校、無線電信講習所を卒業後、1932年、中央気象台(現気象庁)に入庁。1935年、電機学校卒業。富士山気象レーダー(1965年運用開始)の建設責任者を務めたことで知られる。1956年『強力伝』で、第34回直木賞受賞。1966年、気象庁を退職し、文筆に専念。1974年、『武田信玄』ならびに一連の山岳小説に対して吉川英治文学賞受賞。1979年、紫綬褒章受章。1980年2月、心筋梗塞のため逝去。正五位勲四等旭日小綬章。気象学者藤原咲平は伯父。妻ていは作家。