13歳は幼くて素直で可愛くて…残酷。平穏な日々に浮遊しているふとした拍子に感じる不安感。大人にとって、他人からするとどうってことない事かもしれない、でも自分にとっては例えようもない恐怖…。なんとなく面倒くさいのは…思春期だから?実は彼女たちは計算している。どこまで許されて、子供のふりでいられるか…。無意識な日常の中でさ迷う少女たちの4つの短編集「ペティの行方」「青いスクーター」「アキちゃんの傘」「ミミカの不満」を収録。▼著者紹介藤野千夜1962年、福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、出版社に勤務。’95年「午後の時間割」で海燕新人文学賞を受賞してデビュー。日常を軽やかに描きながら、すべてをやさしく抱きとめるような空気感を持ち、’98年には『おしゃべり怪談』で野間文芸新人賞を、2000年には「夏の約束」で第122回芥川賞を受賞。