60年代の少年たちの青春を叙情的に描いた、松本隆の長編小説処女作「やあ暗闇、ぼくの旧い友だち また君と話をしに来てしまったよ」。16ばんめの夏、平凡な高校生の「ぼく」は、バンド仲間と一緒に、ビーチボーイズのヒットナンバーが流れる海辺を訪れ、そこからひとつの物語が始まります。少しだけ年上の少女との出会い、ささやかな冒険、親友との友情、美しくも気まぐれな彼女との恋、日本中を熱狂させたザ・ビートルズの来日公演。さまざまな人との出会いが、少年の心に少しずつわずかな熱をおびさせていきます。60年代に高校時代を過ごした少年たちの淡く切ない青春を、リリカルなタッチで描いた、作詞家・松本隆の処女長編小説です。