われわれはどのようなロボット社会を迎えようとしているのか?本書では、日常活動型ロボットの代表的なものとして、人間に酷似したロボット、いわゆるアンドロイドの研究開発を例に取りながらその研究開発を紹介すると同時に、その研究開発を通して、どのように人間に対する理解を深めていけるかを議論していきます。特に、人間の存在とは何か、心とは何か、感情とは何かという、人間にとって重要であるが答えが簡単に得られない問題について、アンドロイド研究がどのような哲学的考察をもたらすかを議論します。本書を通して、今後われわれはどのようなロボット社会を迎えようとしているのか、そしてそのロボット社会においてわれわれは何を学ぼうとしているのかについて、考える機会を持っていただけたら幸いです。