「ひとりになりたい。けど、なりたくない。」ベストセラー心理学者が読み解く、現代人の病理とその処方箋「孤独」という言葉から、あなたはどんなイメージを思い浮かべるだろうか。おそらくネガティブなイメージを持つ人が多いだろう。だが、孤独というのは、そんなに忌避すべきものだろうか。人間はそもそも孤独な存在であり、孤独を感じない人などだれもいない。そして、孤独にはさびしく辛い側面と同時に、豊かで創造的な面もある。実際に多くの偉人が「ひとりの時間」を大切にし、孤独の価値について言及してきた。・最上の思考は孤独のうちになされ、最低の思考は混乱のうちになされる。 by エジソン・人間は孤独でいるかぎり彼自身であり得るのだ。 だから孤独を愛さない人間は自由を愛さない人間にほかならない。 by ショーペンハウエル・孤独であって、充実している、そういうのが人間だ。 by 岡本太郎つまり、人間にとって、孤独は過剰であっても不足してもいけないものであり、本当に重要なのは、そのバランスを整えることなのだ。本書の目的は、つながり過剰な世の中で軽視されがちな「孤独の効用」を説くことである。思考を深め、自分を豊かにする孤独こそ、雑多なコミュニケーションと過度の情報にさらされて自分を見失いがちな現代人にとって、もっとも必要なものなのだ。【目次】第1章 孤独を奪われた人々第2章 なぜ、思考の浅い人間が増えるのか第3章 「つながり依存」の実態第4章 自分の時間を取り戻す第5章 創造は孤独から生まれる