本書は、いまヨーロッパで注目されている経営戦略「意味のイノベーション」について本格的に解説する書籍です。「モノが売れない時代に、どう売ればいいのか?」この答えとして、いま欧州で注目されている経営戦略「意味のイノベーション」。イタリア発のこの考え方は、極端に言えば「商品やパッケージはそのままでイノベーションを起こす方法」です。ミラノ工科大学のロベルト・ベルガンティ教授の著書『デザイン・ドリブン・イノベーション』で提唱されたこの概念。これは、2010年発表のEUの10年計画の中にも組み込まれ、欧州の最前線で使われているアプローチなのです。デザイナーの考え方をビジネスの問題解決に活かす方法として、少し前にアメリカ発の「デザイン思考」が広く知られるようになりました。ただ、デザイン思考は万能のツールではありません。その長所や弱点を押さえつつ、別のアプローチから商品やサービスを革新することができるのが、本書で解説する「意味のイノベーション」なのです。「問題解決」だけでなく、「意味」を変えることで、商品の価値を飛躍的に高める。中堅・中小企業が、自社の資源を活かしつつ、他社と差別化を図り、長期的に売上を伸ばせる画期的な経営戦略。特に「雑貨や家具・照明器具」といった非テクノロジー分野で効果の高いこの考え方ですが、残念ながら日本ではまだあまり知られていません。そこで本書では、この「意味のイノベーション」の要諦を、イタリアを拠点に活躍するビジネスプランナーとデザインマネジメント専門家の二人のエキスパートが解説します。