「強さとは何か」を追い求めてきたボクサー村田諒太の『世紀の一戦』までの半年間を綴ったドキュメンタリー。コロナ禍で7度の中止・延期という紆余曲折を経て、最強王者ゴロフキンとの対戦に至るまでの心の葛藤、スポーツ心理学者の田中ウルヴェ京さんと半年間にわたって続けてきたメンタルトレーニングの記録、虚栄や装飾のないありのままの村田諒太を綴った一冊。この試合で一番譲れないもの、それは自分を認めることができる試合をすることだった。ゴロフキンに勝つことも大事だが、自分に負けないことはもっと大事だった。それは逃走せずに闘争すること。壮絶な心の戦いの果てに辿り着いた境地とは。(本書より)「不器用な自分にできることは限られている。その事実を認め、心技体で要らないものを削ぎ落とした僕は、落ち着いていた」「勝利という結果、他者の反応や評価だけを求めてボクシングをやってきた。でも、自分をちゃんと認めてあげることができれば、他者との比較はさして気にならなくなることをゴロフキンとの試合を通して知ることができた」【目次】〇第1章 激闘2022年4月9日/101日遅れのゴング/ゴロフキンの本領〇第2章 挑戦日本ボクシング史上最大の一戦/田中ウルヴェ京さん/王者の中の王者/ジョハリの窓〇第3章 試練7度目の中止・延期/ミドル級の壁/帝拳ジム・本田会長/消えない雑念/殴りたくない/ポジティブな感情〇第4章 恐怖36歳の誕生日/開き直り/ダメ出しがほしい/自己肯定感〇第5章 覚悟闘争か逃走か/折れない自分をつくる闘う心/恩師の涙〇第6章 余韻不思議な声〇証言スポーツ心理学者・田中ウルヴェ京が語る村田諒太対談 村田諒太×田中ウルヴェ京