ブッダの言葉については、冒頭の『ブッダのことば―スッタニパータ』(岩波文庫)などの良書がたくさん出ています。「犀の角のようにただ独り歩め」。とても素敵な言葉ではないですか。これは他人の評価など気にせず、自分を信じて、ただひたすら一人進んでいこうという、ブッダの美しい生きざまを表現しています。これらの書物から自分にふさわしい問題を切り取ってきて、検討するのは大切なことです。しかし、古い書物なのでなかなか現代人には伝わりにくいところもあります。そこで今回は、私たちにとって超リアルなお悩みをリストアップ。ブッダが日頃弟子たちに言って聞かせていた言葉などを中心に、現代まで受け継がれてきたブッダの遺産、つまり仏教のエッセンスを取り込んで、人生の危機の際、「こんなとき、ブッダだったらどう言うんだろう!?」という仮説を再現してみました。<目次>お悩み1 「怒りが止まらない!」お悩み2 いつもツイていない気がするお悩み3 他人がうらやましいお悩み4 「自分語り」がとまらないお悩み5 いつも罪悪感でおびえているお悩み6 毎日メソメソが止まらないお悩み7 妄想で頭がおかしくなりそうお悩み8 将来が不安でたまらないお悩み9 物欲がとまらないお悩み10 「草食系」と笑われる<著者>二階堂武尊(にかいどう たける)1964年、筑波大学卒業後、大手出版社数社にて、営業、編集記者を経たのち、30代に入り精神に行き詰まりをきたしてサラリーマン生活を離脱。数年の療養、蟄居生活へ。さまざまな仏典を精読。般若心経と禅、唯識思想で精神的に救われる体験を得る。近著に『29歳からはじめる ロックンロール般若心経』(フォレスト出版)、『ぎゅーたん 「十牛図」で学ぶプチ悟りの旅』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)ほかがある。