19歳のハロルドは、79歳のモードを愛してしまった。孤独な青年は愛することの素晴らしさを知る。40年前、この芝居を見て、私は号泣した。――黒柳徹子自殺を演じるのが趣味という19歳の青年ハロルド。規則に縛られることを嫌い、ひたすら自由に生きる79歳の女性モード。60歳の年齢差がある二人を結びつけたのは、縁もゆかりもない他人の葬式だった。しだいにハロルドは天衣無縫に行動するモードに惹かれていく――特異なユーモア感覚で哀しい現実を描き、高く評価される映画の小説化。原題:Harold and Maude