悪夢のような〈叡智(えいち)の図書館〉襲撃事件から数週間後――邪悪な〈毒の女神タロウナ〉教団は、次なる魔の手を西のエルフの森シルミスタへと伸ばしていた。
危機を察知した、シルミスタの誇り高きエルフ王子エルベレスは〈叡智の図書館〉を訪れ、若き天才僧侶(=クレリック)カダリーや、その恋人である美しき修験僧(=モンク)ダニカらを連れてエルフの森へと舞い戻るが、その先で彼らを待ち受けていたのは、わずか150兵のエルフ群が、数千匹のモンスター群に包囲された絶望的な戦場であった……。
〈叡智の図書館〉襲撃事件で人を殺めてしまったことに苦悩するカダリー。カダリーに高圧的な王子エルベレスは、ダニカに惹かれ、二人は次第に親密になってゆく。そして、あまりに凶暴なオグリロン率いる大軍勢の圧倒的暴力と、そこに加勢する強大な女魔術師ドリゲンと悪鬼ドルージルの陰謀――。
全編にわたって戦争の勇壮さと悲惨さ、人々の弱さと強さ、疑念と信念とが描かれる大作ロマン。最初から最後まで息つく暇もない壮大なるファンタジー小説の登場である。