裕福な呉服屋の娘 雪乃は、書生の貴文にほのかな恋心を抱いていた。別れの時が訪れ、雪乃は喪失感に苛まれる。数年後、医学生となった貴文と再会し、惹かれ合う二人だったが、火事によって雪乃は足に大怪我を負ってしまう。また偶然にも自分が妾の子だと知ったことにより、雪乃は周囲に心を閉ざしていく。雪乃を立ち直らせようとする貴文に、雪乃の父は二人の結婚を認めた。婚礼を間近に控えた春、貴文は軍医として戦地に召集されるのだった──。ひとつの時代を生き、苦難を乗り越えた二人の恋と成長の物語。2022年5月Amazon Kindleにて販売した作品と同一です。重複購入にご注意ください。