あらすじユキが家を出て行ってしまった。しかも鏑木の店で住み込みで働くという。そのことを一言も聞かされていなかった隼は、いつも自分に何も言わないユキに苛立つ。ユキにとって自分は一体何なのか……思わず本音が漏れたが、十年前もそうしたように、動揺する気持ちを隠し、忘れようと自分に言い聞かせた。そして仕事に没頭して迎えた、六月。隼の心には、まだユキが居座っていた……